天賞堂製品ミュージアム

いちかわのWorld Railway

はじめに


"Welcome to this program"
"This is Takumi Ichikawa"
"How are you?"
"How was your hobby life?"
"Anybody, Let's enjoy in this program"
"Come December 2002"


今年、2002年も、残すところあとわずかな日々となりました。本当に寒くなりましたね。今回もこのプログラムを開いて頂きまして、冒頭よりまずは、心よりお礼を申し上げます。"ありがとうございます。"

さて、皆様方にとりまして、今年はどんな一年でしたか?
自分の夢や希望に突き進み、そして、ほっとした瞬間にそれぞれに幸福感が持てましたか?
"そんな呑気な質問の返答なんかしていられない〜よ"とか"相変わらず経済状況が苦しいから……!"などといった所謂、テレビの街角インタビューと同じような声が、多数、すぐに返ってきそうな予感。
なんだか日本全体がいやおうなしに疲れ、この季節吹く、外の冷たい風と足並みを揃えたかのごとく、閉鎖感と失望感の空気のまま、完全にストップしたようにも感じてしまう昨今の私でもあります。そして又、これらの流れは、何だか世の中全体が今を逃避し、過去という名の時間にリバイバルをしているようにも思えて仕方がありません。
出版や音楽といった産業、実際に列車を運行している鉄道会社、そして私たちが心惹かれる鉄道模型のこの世界も。最近私は、"ON AIR"と命名された、CDのアルバムを、何気に買ってしまいました。
このアルバムの内容を単純明快に申し上げれば、ラジオの深夜番組(オールナイト・ニッポン)の放送開始35周年を記念し、この長い年月の、番組中に流れた数多くの曲の中から、その時々に担当していたディレクターの人たちが選び、まとめたもの。収録中の曲、その一曲一曲には、聞く人々にとりまして、それぞれに思い抱く、過去のこの時代、あの時が、個々に、だんだんと浮かび上がって来るんじゃないのか〜なんて、私自身は感じました。
まあ〜とにかく私は、この放送ほど、齢を重ねておりませんが(※ちなみに今年で32歳)、なにやら、あの時のその時代に(この番組を欠かさずに聞いていた)自分自身が完全にカムバックしちゃいしまいました。(もっとしっかり受験勉強しておけば良かったな!などとも合わせて感じ、反省もしてしまいましたが・・・ (笑い)
さて、今回のプログラム、いちかわのWorld Railroad の第12回目では、トンネル開通から早8年目を迎え、ますます人と物の行き来がとても盛んになっている区間。ユーロスターという名の列車が走るエリアにスポットライトを当ててみます。
毎度のように、このプログラムの許す限り、私なりで大変恐縮ですが、ご紹介したいと思っております。
それでは・・・・・

Let's Reading!!

第12回目  EuroStar(イギリス・フランス・ベルギー)

1.EuroStarを持っている国とは?

EuroStar(ユーロスター)という名の列車を運行、管理、そして所有しているのは、他の国々の高速列車群とは異なっております。
EU(ヨーロッパ連合)に所属している国々の内のイギリス・フランスそしてベルギーの3カ国となっております。(※分割民営化したイタリア(FS)でも一時期、この国の高速列車に同じ名称を使っていたこともあったようですが、本家との区別ができないとのクレームから、EuroStarの後にItaliaと語彙を追加し、修正した話もあります)
まずは、これらの国々について、基礎データーの確認から始めます。(※なお、これらの主なデーターについては、2000年のものです)

① イギリス(正式名=United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

●首都 LONDON(ロンドン)
●国土面積 約24万4,000平方キロメートル
●人口 約5,900万人
●国花 バラ
●宗教 英国国教会
●主要言語 英語
●通貨単位 £(英ポンド)
●GDP 約1兆2,829億米ドル
●国連加盟年 1945年10月
☆ミニメモ EURO加盟国。
ただし、統一通貨(ユーロ)へは、現在、未参加となっている。

② フランス共和国(正式名=French Republic)

●首都 PARIS(パリ)
●国土面積 約55万2,000平方キロメートル
●人口 約5,860万人
●国花 マーガレット、青矢車菊
●宗教 カトリック教
●主要言語 フランス語
●通貨単位 フランス・フラン
●GDP 約1兆3,941億米ドル
●国連加盟年 1945年10月
☆ミニメモ EURO加盟国。
統一通貨(ユーロ)にも参加中。

③ ベルギー(正式名=Kingdom of Belgium)

●首都 BRUXELLES(ブリユッセル)
●国土面積 約3万1,000平方メートル
●人口 約1,020万人
●国花 オリーブ、トゲハアザミ
●宗教 カトリック教
●主要言語 ワロン語(フランス語)、フラマン語(オランダ語)、ドイツ語
●通貨単位 ベルギー・フラン
●GDP 約2,425億米ドル
●独立年 1803年
●国連加盟年 1945年10月
☆ミニメモ EURO加盟国。
統一通貨(ユーロ)にも参加中。

2.EuroStarの走行区間&その列車・・・・・


▲写真1

ユーロスターと聞いて、あなたは一体どのような印象を思い浮かべますか?
フランスが世界に誇る高速列車の代名詞であるTGV、その弟分かな? イギリスとフランスとを結んでいる長く黄色い電車、そして海外旅行のパンフレットに出ていたあれかな??……などなど、人によって思い浮かぶその姿は、さまざまなようですね。しかし一般的に言って、この列車については、お尋ねした皆様、けっこう知っておられるようです。
さて始めは、この列車の走行している区間を探りましょうか。
この画面左にある私の特製?である手書きの地図を見てください。(要参照)
出発点は、地図の上(北)にある島国のイギリス・ロンドン(Waterloo駅)です。(写真1参照)
黒い線をどんどんと下に進めば、すぐに青色部分があり(この区間が有名なドーバー海峡です)、この海峡を横断して、そのまま進めばその先で、何やら道が二つに分かれます。
さらに南下すればフランス・パリに、右に折れればベルギーの首都・ブリユッセルに行き着くはずです。
単純に申しあげれば、この区間がこの列車の活動の範疇です。
そして、すでに皆様もご承知でしょうが、この列車の走行している、所謂、地上区間は、今のところ、それまで敷設された各国の路線網を使い、日々運行しております。
そのため、実際にユーロスターなる3カ国共通の列車を運行するまでは、その開発や技術に関係した多くの人々は、並みならぬ努力と苦労をなされたようです。そしてまたこれらと合わせて、実際にこの列車が運転されるまで本当に紆余曲折の長い歴史があったようです。
即席の区間は、ひとまず脇に置きまして、この路線、最大の注目区間であるドーバー海峡(約50km)の歴史につきまして、簡単にその流れを探って見れば……。
今から約200年前、1800年頃にヨーロッパを事実上制覇していたのは、フランス・ナポレオンⅠ世でした。彼の側近の一人であった技術者が1802年のある日、こんな一言を、つぶやきました。
"英仏間の隔てているドーバー海峡下をトンネルでぶち抜けないか!"
この言葉を耳にした、新しいもの好きなナポレオンは、いたくこの提案を気に入ったらしく、すぐさま調査を進めたのは、その後の自然な流れであったようです。しかし歴史の流れは、冷たく、この構想をスムーズに進めるはしませんでした。
一時代、ヨーロッパの繁栄を謳歌していたナポレオンは、1815年6月18日に起きた、Waterloo(ワーテルロー)の戦いによって、表舞台から完全に消滅してしまった。その後、この構想は、多くの人々の中で、何度も浮かび、そして消えてきた。
正式なトンネル完成という日の目を見たのは、192年後の1994年5月6日。
この日まで、この工事自体は、資金難や工事の遅延ばかりで、大変厳しき状況下で進行しましたが、当日の開業式典を見た限り、イギリスのエリザベス女王やフランスのミッテラン大統領といった主要国の面々が出席し、大変幸福感溢れたものでした。
ただ、驚くことに、営業用の列車が、本格的に華麗な姿を見せたのは、それから約半年後の同年11月14日でした。
その後、今日まで順調に旅客数が伸びており、それに見合って列車本数が増えていったことは、大変嬉しいことですね。
なお、当初予定されていたヨーロッパ大陸からイギリス・ロンドンを経由、北上し、イギリス国内の各都市を結ぶ直通列車の運転は、いろいろな問題から現段階では行われておらず、その時、大陸連絡用編成と一緒に増備されたリージョナル・ユーロスターと命名されている、基本編成が短いものは、GNER(イギリス・東海岸本線の列車を運行している会社)に貸し出され、この区間の輸送力増強に、またフランス国鉄所属の編成は、ひとまずTGVの区間運用に転用されるなどして、今も完全直通のその日を待ち望んでいるようです。 さて、いよいよユーロスターなる列車、その本体に迫ってみましょうか……。
まずは、車体サイドはもとより、乗車券、そして各種パンフレットなどの至る所に表示されているユーロスターのマークの説明から、簡単にご紹介します。(写真2参照)


▲写真1

▲写真2

このマークは、3つの深い意味をまとめたものです。
① 3本の線は、EuropeのEを表す。
② 3本の線は、ユーロスターを運行、管理している3つの国のこと。
③ 右上にひとつ星がありますが、これは未来のシンスターの風格を表しており、
最高級なサービスを持っているという証。
次に、車体本体についてあれこれまとめてみます。
正面中央にキャブがある独特な鋭い顔立ち(写真3参照)、黄色を主体とした車体色、そして兄貴分と同じTGVの各種 機構を駆使した上での最新のメカトロニクス満載の数々。
基本編成両数は、20両で列車長393.72m、車体幅2.81m、空車重量752.4t、そして乗車定員数は、794名となっております。前後に専用電気機関車を付け、中間には、18両にも及ぶ専用の客車を挟んだ連結方式。(※編成の短いリージョナル・ユーロスター(客車=14両)には、両端の機関車と共に次の客車にも動力台車をそれぞれ1個づつ装備しており、ひとつの編成単位では、1.020kWの誘導電動機を12個も持っているらしい)
車体間も、やはりTGVと同じ連接構造となっており、日本の新幹線のように1車両に対して、必ず台車が2つあるとは限りません。(日本なら小田急Hise等が同じ構造です)
パンタグラフも今のところ2カ国のみの使用ですが、異なる2つの電源方式をクリアーできるようにと、前後の電気機関車の屋根上にそれぞれ2つずつ持ち合わせており、走行する区間によって使い分けております。(ちなみに電源方式は、フランス国内=交流25万V,ベルギー国内=直流3,000Vです)
なお、イギリスの走行区間は、2005年の高速新線の完全開業時までは、第三軌条集電方式(日本ならば、東京の営団地下鉄銀座線等と同じ方式)の直流 750Vのため、台車枠に専用の集電シューを取り付け、走行するレールとは、別のサイドラインから電気を貰って、それをもとにして、最高時速 160km/hでの運転となっております。
(ちなみに大陸本土の走行区間では、最高時速300km/hです)

3.EuroStarの鉄道模型製品について・・・・・

実車がお目見えした頃、ほぼ同時期に鉄道模型製品の世界でも、プラスティックにて早速3社より3つのスケールにて発売された。具体的にそれらを見れば……

ゲージ名 スケール ブランド名 製造国
① Nゲージ (1/160) KATO(日本) 日本製
② HOゲージ (1/87) Jouef(フランス) スロバキア製
③ OOゲージ (1/76) HORNBY(イギリス) イギリス製

※HORNBY(ホーンビー)社の製品は、その後中国製造に変更となった。


▲写真4

▲写真5

さて、今回、このプログラムにて紹介するのは、③のHORNBY社の製品です。基本セットの外装パッケージが特に、とても楽しい雰囲気をかもし出しております。(写真4参照)
では、具体的にHORNBYのEuroStar製品を眺めていきます。
基本となるセットは、4両です。(写真5参照)増結として、1等車が2両のセットとなった製品も合わせて発売されました。基本編成、その片側の先頭車両には、モーターが入っております。外見の塗装と共にEuroStarのコーポレートマークの印刷がいい感じです。手で本体を掴めば、通常私たちが触れている HO(1/87)や日本型16番(1/80)よりも少々、大きく太い感じ。(写真6参照)
ただ、パンタグラフ本体(プラ製)と周辺の様子をじっくりと眺めれば、残念ながらとても簡略化されたおもちゃ的な感じ。(写真7参照)
たしかに実車が、イギリス国内においては、パンタグラフからの集電を行っていないので、パンタを上げる必要も今の所無いでしょうが、ヨーロッパ大陸の平均的な水準でもある架線集電対応の装備ぐらいできるようにして欲しかった。(求む金属製パンタグラフ化)
そして合わせて、付け加えるならば、先頭車の特徴を最大限に引き出せるはずのヘッドライトとテールライトについても未装備のままです。(残念!!)
次に中間車についても見ましょうか。
先ほどの先頭車ともどもシッカリできた車体構成と、その外装色には、十分に納得できます。台車の車輪は、イギリス型OOゲージの一般的な客車のような、転がりの大変悪いプラ素材を使わずに、金属製であるの点が少々、心強い。(写真8参照)
ただ、今まで発売された内容からは、これらのセットをいくら連結しても、2等車とビュッフェ車両が無い状況下につき、EuroStarが持っている本来のリアルな編成ができないといった点が本当に残念で、仕方がありません。今後、追って2等やビュッフェ車の製品化を希望したいものですね。


▲写真6

▲写真7

▲写真8

4.EuroStar製品の状況&価格(New & Used)

日本では、最近まであまり馴染みの無かったブランド名のHORNBY(ホーンビー)社と、1/76というスケールの各製品。正直、実際にコレクションにお持ちの方々は、現地で購入したか、はたまたこの土地から個人輸入にて取り寄せたか、どちらかの方法が一般的ではないでしょうか。
しかし、実は、最近までその数がとても少なかったようですが、天賞堂の新製品売り場の店頭でも販売した実績があるんですよ。(参考:この時の販売金額は、基本4両セット=¥26,250-税込-、増結用中間車2両セット=¥15,750-税込-程でした)
さてそのためなのか? 中古市場で出てくる確率は、本当に少ないのも本当の話です。私が通常勤務している本店4Fでも、このEuroStarは、だいたい 1年間で1〜2回くらいの割合で出品されていればいいような感じの製品です。
〔ご出品なさる方々により多少の価格変動はありますが、基本4両セット=¥15,750-税込-前後、増結用中間車2両セット=¥8,400-税込-前後で承ることが多いです〕
とにかく日々いろいろな商品の流れを見て、取り扱っている私ですが、正直な感想をここで申し上げれば、鉄道模型、その分野の中の外国型なんて、日本型以上に、限られており、本当に好きな趣味人が熱心に購入し、所有しているような感じなので、なかなかその後に出展されないという現実が存在しております。
とにかく、今後(この製品を含めまして)も、外国型の模型については、わずかであろうとも(新品でも中古品でも)心引かれるようでしたら、見た段階で購入なされたほうが絶対に良いですよ。後で求めようとしても、とても困難な環境下に置かれる場面が多いようですから……。(→ 勿論、私も経験済みなのは、本当の話です。"あ〜あの時買っておけばよかった。"と後悔……)

終わりに・・・・・

いかがでしたか……? 今回の第12回目では、ヨーロッパのスター的な存在であるEuroStarという列車を取り上げ、ここに紹介させていただきました。
明日からも私自身、好奇心旺盛に地球上にある鉄道、その模型を求めて、元気に北に南に走ります。(どうぞご期待下さい!)

"Thank you very much for you reading this program"
"It's great honor for me to write this program, I think"
"Relax With ModelRailways!!"

P.S  2002年のまとめ・・・・・

今年、1月よりいきなりスタートしたこのプログラム、いちかわのWorld Railroad もおかげさまで12回目を数えました。連載当初から、ラジオのパーソナリティの口調のような雰囲気で書き続け、気付けばはや1年。
私自身、この期間を振り返っての感想ですが、本当に数多くの方々がこのプログラムの、このページを開かれており、そののち、各自が日々楽しまれていらっしゃる、鉄道模型の世界をさらに、それぞれに広げられたという実感を得ました。
また、この連載をやってからですが、文章をまとめるという難しさを改めて知り、何事であっても最後までやり遂げるという行為は、とても大変なことであるということをひしひしと身をもって感じ取りました。
毎月毎月、HP上に立ち上げてからは、数々の暖かなお声や激励の感想を、そして特に、驚いたことは、これまでの各回、それらすべてをご自身で紙に印刷なされ、文房具用のファイルに保存していらっしゃるという方々もいらっしゃったとか。(恥ずかしく、とても嬉しい)
とにかく、来年もさらに多くの方々に読まれ、愛されるようなページにしたいと思っておりますので、心よりお願い申し上げます。
さて、最後になりましたが、今回までお読みいただかれた方々の中で、素朴な疑問、率直な感想や意見etc……は、ございませんでしたか?
もし?わずかでもございました時には、大変恐縮ですが、天賞堂のHP、その受け取り先である下記のメールアドレスまでお送り下さい。あなたからのそのひとことが、次回のプログラムの源になるかもしれませんよ!!

あて先 shouhin@tenshodo.co.jp まで・・・・・ "よろしくお願いします"

いちかわのWorld Railway